後藤健二さんらの人質事件 緊急集会で

2月6日午後18時半から豊島区民センターで開かれた「緊急集会 後藤健二さんの人質事件を受けて 今考える 私たちは中東の平和にどう貢献できるのか」に参加しました。小さな会場はぎっしり。ロビーでもたくさんの方が耳を傾けていたようです。ヒューマンライツ・ナウ他4団体主催。
 伊藤和子氏(ヒューマンライツ・ナウ)、安田純平氏(ジャーナリスト)、佐藤真紀氏(日本イラク医療支援ネットワーク)、綿井健陽氏(ジャーナリスト)、志葉玲氏(イラク戦争の検証を求めるネットワーク)、豊田直巳氏(日本ビジュアルジャーナリスト協会)の6氏が登壇し、高遠菜穂子さんがヨルダンから衛星電話で参加しました。
 ISIS(イスラム国)は残虐行為を繰り返す最悪な組織であることはまちがいないけれども、それは「世界中から見捨てられた人たちの中から生まれた(安田)」、「イラク戦争が産んだモンスター(志葉)」であること。一方でイラク治安部隊やシーア派民兵の残虐行為も相当ひどいというのです。「残虐な映像がベトナム戦争のときはブレーキとなったが、今はアクセルの道具となり報復の応酬になっている(綿井)」、「首をはねたイスラム国の残虐ぶりを言うが、南京虐殺での『百人切り競争』など戦前の日本でもあった話。戦争は狂気である。暴力では決して戦争は止まらない(豊田)」「貧困がテロを生むと言われているがちょっと違うと思う。不平等がテロを生みだしている。過激派が大きくなっている重大なファクターだ(志葉)」
「ISIS支配から逃れてきた人たちも、今回の支援は(汚職がひどい)イラク政府に渡ってしまうのではないか支援金は空爆に化けるのでなないかと心配している(高遠)」。「ODAを軍備分野にも広げようとしている安倍政権の動きを注視してほしい(佐藤)」等々。
 安倍政権が2億ドルは人道支援と言い張るなら国連や赤心月社に渡すべきです。フリージャーナリストが命を張って取材した映像やニュースも中東問題は視聴率を取れないからと取り上げてもらえない現実も知りました(イスラム国が出てくると視聴率が上がるらしい)。複眼的に事実を見つめることが大事だと思いました。ISIS(イスラム国)が極悪非道な集団であるから邦人保護のために自衛隊出動を可能にしようという安倍政権のシナリオはどう考えても最悪です。アメリカが主導する暴力の封じ込めは報復の連鎖を生むだけです。(Y)